この記事では『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争』の
- 詳しいあらすじ
- 基本情報
- 見どころ
などを中心に説明していきます。
ぜひ最後まで読んでくださいね。

『のび太の宇宙小戦争』とは?
「地球に不時着した小さな宇宙人パピ。ピリカ星を救え!いざドラたち5人の戦士は宇宙へ!!」
『のび太の宇宙小戦争』 | |
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公開年月日 | 1985年3月16日 |
通算 | 6作目 |
監督 | 芝山努 |
脚本 | 藤子不二雄 |
時間 | 96分 |
動員数 | 240万人(歴代映画ドラえもんシリーズで34位) |
主題歌 | 『少年期』 唄 武田鉄矢 詞 武田鉄矢 曲 佐孝康夫 |
リメイク | なし |
本作を一言でいうと、
「小さくなったドラえもん達がピリカ星から亡命してきた大統領パピを守るため、敵の智将相手に戦争を挑む映画」
です。
戦いの舞台は、地球、宇宙空間、ピリカ星と3つのフィールド。
ラジコン戦車に乗りながら、情報戦や敵地潜入を繰り広げ、レジスタンスとして戦います。
スターウォーズを始めとするSF映画やハリウッド映画へのオマージュがちりばめられ、映画ファンの心をくすぐるシーンが盛りだくさんですよ。
歴代映画ドラえもんシリーズと比較しての特徴は、
- 敵のレベルが強く、本格的なSF戦争映画のような構成。
- スネ夫が主役級の扱い!
- 主題歌の『少年期』がドラ映画ナンバーワンの曲との呼声高し!
などが挙げられますね。
ネット上の評価も高めで、ドラえもん映画ファンに幅広く愛されている作品です。
『のび太の宇宙小戦争』の詳しいあらすじ
1. パピとの出会い
宇宙の片隅のある星で、軍部によるクーデターが起きていた。降り注ぐ爆撃。大統領は側近にロケットに乗せられ、宇宙へと亡命する──。
その頃、のび太はスネ夫、ジャイアンとともに、SFの戦争映画を撮影していた。ところが、失敗ばかりするのび太は仲間から外されてしまう。
今度は、ドラえもん、しずかと3人で裏山でメルヘン映画を撮影することに。すると、撮影中にウサギのぬいぐるみがいなくなってしまう。
一方、スネ夫らは出木杉も仲間に加えて、ハイレベルな撮影していた。ところが、撮影後のテープチェック中に、ウサギとその上に乗る小人のシルエットが映りこんでいた。
裏山で不思議なロケットのおもちゃを発見するドラえもんとのび太。すると、庭で探していたうさぎのぬいぐるみを発見する。
その夜。2人の前にピリカ星から来た少年パピが姿を現す。
手の平に乗るほど小さなパピに驚くドラえもんとのび太。
自分は敵に追われているから、とパピは立ち去ろうとするが、ドラえもん達はそれを引き止める。
一方、ビデオ撮影をしているスネ夫たちは、突然くじらの形をした巨大なプラモデルの戦艦に攻撃される。
あんなプラモを出せるのはドラえもんだけだと判断したジャイアンとスネ夫。のび太に文句を言うが、話をきいていたパピは、それはPCIA(ピシア)の戦闘艦だという。
その戦闘艦こそが、ピリカ星からやってきたパピの追手だったのだ。
2. 連れ去られるパピ
PCIAはホタルのような小型探査球を街中にばらまき、パピの行方を追っていた。
実は自分がピリカ星の大統領だと告白するパピ。パピの居場所がバレたことを危惧した一同は、パピをしずかの部屋に移動させ、そこに壁紙秘密基地も設置する。
5人は探査球に嗅ぎ回られるが、ドラえもんは探査球の発信地を突き止めていた。
そこで、留守だったしずかをのぞいて、みんなでスモールライトで小さくなり、スネ夫のラジコン戦車で発信地に乗り込むことに。
一方、PCIAの長官ドラコルルも、ジャイアンのポケットに入り込んだ探査球の映像から秘密基地の場所を突き止めていた。
4人が出払った秘密基地に、入れ替わりで乗り込んでくるドラコルル。1人で小さくなって入浴中のしずかはピシアに囚われてしまう。
電波の発信場所に着いても敵の姿が見えないことに戸惑うドラえもんたち。秘密基地に戻ってきて、しずかが捕まったことに気づく。
現場には「深夜12時に公園の噴水前に来い」というドラコルルのメッセージが残されていた。ドラえもん達はしずかを助けるため、すぐにラジコンの改造に取り組みはじめるが、責任を感じたパピはひっそりと皆の前から去ってしまう。
夜、パピは野良猫に念力を送り仲間にすると、背中に飛び乗り噴水に向かう。
パピはドラコルルと取引してしずかを先に返して貰うと、野良猫の背中に乗せて、みんなのもとに送り届けるように託す。
そして、自ら投降しPCIAの捕虜になるのだった。
3. 自由同盟と合流!
パピを追って地球に来ていたパピの愛犬ロコロコは、しずかとともにドラえもん達と合流する。
ロコロコからギルモア将軍の独裁や、それに反発して政権奪還を狙う自由同盟の話をきき、パピを助けに行く決心をする一同。パピが地球へきたロケットを使い、ピリカ星に向けて出発する。
ピリカ星付近。自由同盟の宇宙船が敵の無人戦闘艇に狙われている場面に出くわしたドラえもん達は、ラジコン戦車を出動させ、初勝利をあげる。
自由同盟の基地になっている小衛星に到着し、リーダーのゲンブと握手をかわす一同。
パピの処刑が明後日だと知った一同は、ドラえもん、のび太、ジャイアンの3人でピリカ星に乗りこみ、スネ夫、しずかは小衛星で敵の攻撃に備えることに。
ところが、無人戦闘艇を撃墜した際に、敵の発信機がラジコン戦車に付着しているのを誰も気づいていなかった。
発信機により、作戦はおろか、小衛星の場所まですべてドラコルルに筒抜けになっていたのだ。
ギルモアに事の次第を報告するドラコルル。すぐに基地を破壊しろといきりたつギルモアに、悪知恵の働くドラコルルはある策略を進言する。
それは、ピリカ星に潜入するドラえもん達を泳がして、首都ピリポリスにあるとされる自由同盟のアジトを見つけ出し、発見次第、小衛星の基地と同時に攻め立てて一網打尽にする策略だった──。
4. ピリカ星に潜入。そして。。。
ピリカ星に着陸し、潜入を開始するドラえもんチーム。
ロコロコとともに苦労しながらアジトまでたどり着くが、敵の監視システムに発見され、アジトの位置がバレてしまう。
ドラコルルは、作戦通りすぐに小衛星に無人戦闘艇を数百機送り込む。
一方、少衛星で待機していたスネ夫は、敵が向かっているという知らせを受けて戦闘意欲を失い、早々と基地の奥に隠れてしまう。
スネ夫を見つけだしたしずかは一緒に戦うように頼むが、スネ夫は泣き言を並べるだけだった。スネ夫の態度に言葉を失ったしずかは、1人でラジコン戦車に乗って、宇宙に出ていく。
アジトで一息ついていたドラえもんチーム。ところが、PCIAの兵士の急襲にあい、一網打尽にされてしまう。
その頃、宇宙空間を飛ぶしずかを追ってきたのは決死の覚悟を決めたスネ夫だった。1人で心細かったしずかは、心からスネ夫に感謝する。
2人の戦いははじまるが、ラジコン戦車の高性能により、予想に反して敵の無人戦闘艇を全滅させる活躍を見せる。
勝利に勢いづく2人は、連絡が取れない自由同盟アジトの現況を確認するため、急いでピリカ星に向かう。
一方、予想外の敗戦に戸惑うドラコルル。ところが、ドラえもん達がピリカ星に潜入するときに隠していたラジコン戦車を解剖し、ついに弱点を把握する。
その頃、ピシアに捕まったドラえもん達は、パピとともに磔にされ、あとは死刑執行を待つだけとなっていた。
銃を構えた兵隊が並び、ひとりずつ最期の言葉を話していく。
果たしてスネ夫としずかはドラえもん達を救うことができるのか?
ラスト
ドラえもん達の元に急ぐスネ夫としずか。
海面から浮上したピシアの潜水艦の攻撃で弱点のアンテナを破壊され、水没してしまう。
海水で満たされていく戦車内部。万事休すと思った瞬間、しずかとスネ夫の体がみるみる大きくなっていき、ラジコン戦車を突き破る。
一方、執行直前の処刑場に地球の巨人が出現したとの知らせが届く。それがスモールライトの効き目が切れて元の大きさに戻ったスネ夫としずかのことだと気づくドラえもん。
ドラえもん、のび太、ジャイアンの身体も一気に巨大化し、形勢は逆転する。
5人は合流を果たし、PCIAの勢力を蹴散らして、ドラコルルを捕える。
その頃、ギルモアはクルマでハイウェイを逃走していたが、その先には怒りに震える民衆が待ち構えており、ついには無言で敗北を認めるのだった。
その後、大統領に復帰したパピ。5人はパピに別れを告げ、宇宙船で地球に帰るのだった。
本作のネットユーザーの評価は、以下の記事でまとめています。
『のび太の宇宙小戦争』の登場人物
レギュラーメンバー
『のび太の宇宙小戦争』で注目のレギュラーメンバーは、スネ夫です!
物語の始まりはスネ夫を中心とした映画製作から始まります。
後半の戦闘シーンでは、神がかり的なプラモ操縦技術を駆使して、スネ夫が敵と宇宙戦を繰り広げます。
スネ夫の葛藤を表現した名シーンもあり、本作はまさにスネ夫回といえる内容になっていますよ。
ゲストキャラクター
パピ
ピリカ星の大統領。年齢はのび太たちと同年代。
8歳で大学を卒業したエリート。礼儀正しく、穏やかで、責任感が強い性格。
ギルモア将軍のクーデターにあい、周囲からなかば強引にロケットに乗せられ亡命。地球に不時着する。
野良猫を操る能力も持つ。
ロコロコ
パピの飼い犬。人間の言葉を操り、マシンガントークする。
大きな耳で羽ばたいて空を飛ぶことができる。
パピを追って地球にやってきたが、惜しくもパピと会うことはできなかった。かわりにドラえもん達と合流して、パピを追ってピリカ星に向かう。
ゲンブ
ギルモアと対立し、独裁からの解放を目指す自由同盟のリーダー。ピリカ政府の元・治安大臣。ピリカ星付近の衛星に基地を作っていて、ドラえもんたちを迎え入れてくれる。
敵キャラクター
ギルモア将軍
パピの命を狙い、クーデターでピリカ星を制圧した独裁者。諜報機関PCIA(ピシア)を設立し、自由同盟や不穏分子の動きを徹底的に探り、政権維持に注力している。
疑い深い人物で部下さえも信用していない。そのため、作戦には無人戦闘艇を採用する傾向がある。
ドラコルル長官
PCIAの長官。ギルモア将軍の右腕。
策略家で、ドラえもん映画史上ナンバーワンの強敵との呼び声も高く、パピもその実力を認めている。
常に相手の先を読んだ策略を立てるのが特徴。表向きはギルモアに忠誠を見せるが、陰ではギルモアの人望がないことを皮肉る。
『のび太の宇宙小戦争』に登場するひみつ道具
登場する道具一覧
本作は歴代ドラえもん映画のなかでも登場する秘密道具がかなり少なめです。
- ロボッター
- スモールライト
- どこでもドア
- かべ紙秘密基地
- 天才ヘルメット&技術手袋
- かべ紙格納庫
- かたづけラッカー
- タケコプター
- どんぶら粉
- チータローション
注目のひみつ道具
本作のカギを握るひみつ道具が、定番アイテムのスモールライト。
体を小さくしてパピと遊んだり、スネ夫の戦車に乗るためにはスモールライトが必須です。
ところが、物語の途中でこのスモールライトが。。。本作はこのスモールライトに振り回されるお話といってもいいかもしれませんね。
『のび太の宇宙小戦争』の見どころ
つぎに見どころをピックアップしてお伝えしますね。
スネ夫の奮起
ドラえもん映画において、スネ夫の1番の特徴といえば、弱音を吐くことです。ほとんどの作品で、最後まで敵とたたかうことに反対するのはスネ夫なんですよね。で、しぶしぶ参加するのが定番の流れ。
映画作品ではのび太が勇敢に描かれる傾向にあるので、それがスネ夫の役割ともいえるかもしれません。
本作でも、スネ夫はいつにもまして1人ナイーブに。
物語の終盤、スネ夫がピンチに立たされる展開がくるのですが、そこでもスネ夫は心の弱さをさらけだします。
それが無理もないというか、あれが、リアルな子どもの心情だと思うし、そのリアルさが視聴者の共感を呼ぶのに重要な役割を担っているんですよね。
その後、感動的な展開が待っているのですが。。。
スネ夫の心の弱さとその克服にスポットを当てた胸熱の展開は、本作の1番の見どころといえます。
ドラコルルとの戦い
見どころの1つが強敵ドラコルルとの戦いです。
悪知恵が働き、情報を収集しながら、常にドラえもん達をピンチに陥れてくるのがドラコルルという男。
このドラコルルの有能さによって、本作が緊迫した中だるみしない作品になっているともいえますね。
ラストはハプニング的にドラえもん達が勝利するのですが、そのハプニングがなければ、事実上ドラ達は敗北していたといってもおかしくありません。
藤子先生は、ドラコルルが有能なためにどうやってドラ達に勝利させるか考えるのに苦労した、という旨の談話を残されています。
アメリカ映画のオマージュ
本作は多くのアメリカ映画(特にスピルバーグ作品)に影響を受けて製作されています。
それを示すかのように、オープニングには
- 『未知との遭遇』
- 『スターウォーズ』
- 『フランケンシュタイン』
- 『スーパーマン』
- 『キングコング』
- 『E.T』
をオマージュしたシーンが流れます。
作中にも同じようにオマージュしたシーンが登場します。
例えば、
- 冒頭、ジャイアンがメトロ・ゴールドウィン・メイヤの『レオ・ザ・ライオン』をオマージュ。
- しずかの部屋に『ゴーストバスターズ』のマシュマロマンのぬいぐるみが置いてある。
- 巨大な月をバックに、『E.T』のようにシルエットになった戦車が空を飛ぶ。
- 終盤、『キングコング』のようにビルの上で飛行機を落とすドラえもん。
などですね。
ほかにも自由同盟の戦闘機はスターウォーズに出てくるものによく似ています。
私が気づいたものはこれぐらいですが、ほかにもまだあるかもしれません。
歴代でも人気の主題歌「少年期」
本作の主題歌は、武田鉄矢さんが歌う「少年期」。
この曲は、ドラえもん映画の主題歌のなかでもナンバーワンの人気を誇ります。
多くのドラえもん映画で作詞を務めた武田鉄矢さん自身も、「少年期」をもっとも気に入っている曲だと評しています。
本作終盤には、自由同盟のアジトでギターをもった青年が劇中歌としてこの「少年期」を歌うシーンもありますよ。
この劇中歌を挟むようにして、スネ夫の奮起が描かれているのもグッとくるポイントです。
最後に
『のび太の宇宙小戦争』は最高のBGMと主題歌に支えられた、ファンタジックでノスタルジックな作品です。
何度見ても色あせない魅力があり、ハマると多くの人が繰り返し見てしまう作品ですね。
本作を特におすすめできるのは
- スネ夫が比較的好きな人
- 映画好きな人(特に1980年代〜90年代のハリウッド映画)
- SF・宇宙・プラモなどの少年っぽい世界観が好きな人
といった感じです。
バトル要素は強いですが、ホラー要素はないのでお子さんでも観やすいですよ。
ぜひ藤子流のスターウォーズを楽しんでください。
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