ドラビアンナイトの考察と感想!なぜ絵本と過去が繋がる?

「のび太のドラビアンナイト」を見て疑問に思うことはありませんか?

なぜ、絵本の中に閉じ込められたしずかちゃんを、タイムマシンで助けにいくことができるのでしょう?

絵本と現実世界が繋がっている…?不思議ですよね。

この記事ではドラビアンナイトの謎を考察し、各シーンや設定について色々と感想を書いています。

ぜひ、最後まで読んでくださいね。

ドラビアンナイトを考察。なぜ絵本世界と過去が繋がる?

「絵本と現実世界がリンクしている設定にムリがある」

レビューサイト上でもこの意見の多いこと、多いこと…。
たしかに、私もドラビアンナイトを観るたびに、この点を考えてしまうのは事実です。

しずかが絵本から出られなくなるまでの導入と、中世アラブ世界の冒険が素晴らしいだけに、惜しい。

その繋がりの根拠がもっとハッキリしていたら…と思ってしまいます。

一応、実在の人物ハールーン・アル・ラシード王がアラビアンナイトにも登場していたとそれっぽい理由は語られますが。

それだけで絵本世界と繋がっていると考えるのはちょっとムリがあります。

もちろん、制作側もこの一点だけで押し通すつもりだったのではありません。

「架空世界と現実世界の壁がぼやけてきている」

というドラえもんのセリフがあるように、もともと絵本世界と現実世界はまったく別物の認識はあります。

その壁が消えてしまうことで架空世界に入ることに成功し、しずかちゃんを見つけることができたわけです。

では、なぜ壁が消えたのか?

ここからは完全な空想ですが、アラビアンナイトの世界は現実に存在していたと考えるといいかもしれません。つまり、ほぼ史実だったわけです。

そして絵本入り込み靴は、入りこんだ絵本世界が史実だった場合、実際の歴史にも影響を与える危ない道具だった、と考える。しずかが入りこんだことで、史実のなかにもしずかが存在していたことになる、というわけです。

パラレル西遊記の「ヒーローマシン」のように、ドラえもんが歴史に影響を与えかねない危ない道具を持ち出すことはよくありますから。

ムリのある考え方ですが、こういう捉え方もあるということで。

ドラビアンナイトの感想

ストーリー

まずは、ドラビアンナイトのストーリーを簡単に紹介します。

ひょんなことから絵本の世界に迷いこんだしずかを助けるため、794年のバグダットに旅立つドラえもん一行。

苦労して砂漠の黄金宮にたどり着いたドラたちを待ち受けていたのは、アラビアンナイトにも登場する伝説の男、船乗りシンドバッドだった。

一方、密かに黄金宮を乗っとる計画を立てる奴隷商人アブジルと盗賊のカシム。

いま、黄金宮の覇権とシンドバッドのプライドをかけた戦いがはじまる──。

ストーリー詳細は以下のページをご覧ください。

⇒のび太のドラビアンナイトのあらすじ

最高の冒険活劇

ドラビアンナイトは冒頭からラストまで、勢いのいいシナリオが魅力です。

これぞ冒険活劇っていう感じが大好きです。

細かいつじつまや整合性は気にせずに、子ども心で見るのがドラビアンナイトを楽しむコツだと思います。

レビューサイトには「TVスペシャルのような内容で物足りない!」という声もありました。

たしかに、ドラビアンナイトはどちらかというとエンタメ側に振り切った作品です。ドラえもん映画に多い重厚なテーマや強いメッセージ性を期待すると、期待はずれに感じる人もいるでしょう。

でも、いい意味で「ドラえもん映画らしくない作品」だからこそ表現できた部分もたくさんあります。

のび太のママがやりすぎ

序盤、しずかが入りこんだ絵本をのび太のママが燃やし、それによってドラビアンナイトの物語は大きく動き出します。

子どもの絵本を無断で燃やすってやりすぎですよね。今の時代だと考えられない描写だと思います。

ママのこの行いによって、しずかを絵本の世界から直接助け出す手立てがなくなってしまいます。タイムふろしきで絵本を復活させろという意見はさておき…。

それにしても、のび太のママはどうしてなんでも燃やしたり捨てたりするんですかね?

昔の母親のイメージってあんな感じだったかな?のび太のママは高度経済成長期の教育ママを模したキャラクター設定らしいですが。

なぜひみつ道具を使わない?

ドラえもん映画にありがちな批判第1位といえば、「なんであの道具つかわないの?」です。

ドラビアンナイトはレビューサイトでも特にその声が多かったですね。途中からポケットが使えなくなるにもかかわらず…。

とくに多かった声をあげてみると…

  • ママが絵本を燃やした→タイムふろしきorタイムマシン使え
  • 船で移動→タケコプター使え
  • しずかを助ける→とりよせバッグ使え

といった感じです。

たしかに、道具を使えば問題解決に繋がるシーンは多いです。でも、道具ですべて解決したら物語が成立しませんよね…。

しずかちゃんの扱いがひどい

ドラビアンナイトでは、しずかが奴隷商人アブジルに捕まり、連れ回される展開になります。

直接殴られたりムチで打たれるシーンはないものの、その描写はちょっと残酷。今の時代だともっとマイルドな表現に置き換わりそうです。

しずかが絵本の世界に迷い込んだあと、のび太はしずかのママに事情を説明できずに、結局公園で居眠りします。

それが信じられないといった声もレビューサイト上にはありました。

でもドラビアンナイトでは、のび太は眠ることでしずかのイメージを得て、追っていくという展開になっています。

だから、それは一応そういう演出なんですよね。途中、船上でも同じようにしずかのイメージにアクセスしていましたから。

ちなみに、しずかちゃんがドラビアンナイトでひどい目に合うのは、予定がキャンセルになったからのび太と遊ぶことにした悪女ぶり?のせいかもしれません。

四次元ポケット封じ

しずかを助けるため、昔のバクダットに向かうドラえもん一行。アル・ラシード王からもらった通行手形を使って船で出港するものの、カシムに騙され四次元ポケットを取られてしまいます。

ドラえもん映画の四次元ポケット封じは定番ですよね。

ひみつ道具で問題解決させないために、ドラえもん一行は毎度色々なパターンでひみつ道具を使えない状況に追いこまれます。

そして初めてポケットごと使えなくなったのが、この『のび太のドラビアンナイト』なのです。

ただし、ドラえもんがかぶっていた「おりこうターバン」だけは使えるという演出がおもしろいです。

ちなみに、本作以前でいうと「のび太の大魔境」で重要な道具を置いて冒険に出発していました。

ジャイアンの男気

しずかを追って砂漠を歩きつづけた末、倒れ込むのび太。それをおんぶして歩くジャイアンが優しい!

ドラビアンナイトのジャイアンは、序盤はいつもの横暴ジャイアンですが、しずかが取り残されたことが判明してからは、スイッチが入って映画版ジャイアンに変身します。

のび太が砂漠ではぐれたときのジャイアンのセリフ「道がないのに道に迷うなんてドジの天才だぜ!」もおもしろいです。

敵キャラが小粒

ドラビアンナイトの敵キャラは、盗賊カシムと奴隷商人アブジルです。
歴代ドラ映画では珍しく、敵が普通の人間です。

レビューサイトでは、敵が小粒すぎて残念という声もありました。たしかに地味といえば地味ですね。大魔王やロボットと戦う方が盛り上がる感じもしますし。

でも、ドラビアンナイトはアラビアンナイトの世界をモチーフにしていますから、これでいいんです。

ちなみに、人間の敵といえば『のび太の恐竜』のドルマンスタインと恐竜ハンターや、『のび太のねじ巻き都市(シティー)冒険記』の 熊虎鬼五郎もいますね。

ですので、じつはそこまで珍しいわけでもありません。

ミクジンのファインプレイ

出番は少ないものの、ドラビアンナイトのカギを握る存在のミクジン。

黄金宮の牢屋に助けに来てくれたり、ドラえもんのポケットを回収しておくなど、後半はファインプレーを連発します。

レビューサイトを見ても、ミクジンをもっと出してほしかったという声が多かったです。

ただし、パラレル西遊記におけるドラミのように、唐突に助けにくることでつまらないオチになってしまったという指摘もありました。

ミクジンを演じる、松島みのりさんの声がかわいいですよね。あの憎めないキャラクターにピッタリだと思います。

シンドバッドがかっこいい!

おじさんシンドバッドがいい感じ。最後は、生まれ変わったように果敢に戦う姿がカッコいいです!

ドラビアンナイトの裏主人公ともいえるシンドバッド。冒頭で絵本のなかに出てくるたくましいシンドバッドとはちがい、愛嬌のあるおじさんです。

ところが、アブジルたちに黄金宮を乗っ取られたあと、のび太たちにハッパをかけられ若い頃の勇気を取り戻します。

「いわれてみれば….わしは心にまで年をとらせていたらしい…。」

これは隠れた名言だと思っています。この奮起するシンドバッドの姿こそが、この映画の真のテーマなのかもしれません。

その後、シンドバッドはアブジルに戦いを挑み、勝利を手にします。

あの手に汗握る決闘シーンは、子どもの頃に見てからずっと鮮やかに記憶に残っています。

そして大人になってから見ると、またシンドバッドの気持ちがより理解できる気がします。

エンディングが素晴らしい

ドラビアンナイトは、エンドロールが素晴らしいです。

それはやっぱり後日談が描かれるところ、そして白鳥 英美子さんが歌う主題歌「夢のゆくえ」の素晴らしさですね。

のび太が「ふなのりシンドバッドのぼうけん」の絵本をシンドバッドに届けて、それをシンドバッドが読む。

作中で交わした約束が現実になるシーンは感動的です。

さらに、シンドバッドがけん玉をしている姿もあり、こちらも胸にジーンときます。

ドラビアンナイトのエンディングは、歴代でも1番といっていいほど好きです。

ドラビアンナイトは怖い?

ドラビアンナイトを怖いと思う人がいるようです。

どのあたりが怖いとされているか調べてみました。以下の点に恐怖を感じる人がいるようです。

  • しずかが絵本世界に閉じ込められたことが怖い
  • しずかが奴隷になっていることが怖い

たしかに、絵本のなかに女の子が1人で閉じ込められて、それが燃やされてしまうのだから恐ろしい話です。

ホラー的な怖さというか、取り返しのつかないことになったときの顔面蒼白になるあの感じ…。日常に潜むリアルな恐ろしさに近いですね。

しずかが奴隷になっていることも、残酷という意味では恐怖かもしれません。たしかにかわいい女の子が1人で奴隷商人のもとに渡ったら何をされるかわかりません。

熱狂的なしずかファンからすると、ドラビアンナイトを見ながらずっと気が気じゃないのかもしれません。

こうしてみると、2点ともしずかにかかわる部分が恐怖の対象です。
そのため、しずかに感情移入しやすい女の子が、より恐怖を感じやすいのかなとも思いました。

ドラビアンナイトのまとめと評価

ドラビアンナイトを見て私が感じることは、以下の3つです。

  • 子どものために作られた映画は子どもの目線で観るべき
  • メッセージ性が薄いから駄作とは限らない
  • 筋が通ってなくても楽しいものは世の中にたくさんある

万人受けしないが心ある人々の胸にはしっかりと刻まれている傑作、それが『のび太のドラビアンナイト』です。

最後に、ドラビアンナイトの映画レビューサイト上の評価です。

  のび太のドラビアンナイト
レビュー数 平均点数
映画.com 9 3.4
Filmarks 386 3.6
Yahoo!映画 138 3.83
Amazon
Prime
50 4
みんなの
シネマレビュー
50 2.88
合計 633 3.54
※データ抽出は2020/6/17現在。
※みんなのシネマレビューは10点満点なので2分の1して計算。

『のび太のドラビアンナイト』は5サイトの平均点数が3.54点
全作品中21でした。
⇒歴代作品の順位は『ドラえもん映画ランキング』にまとめています。

ぜひ、歴代のドラえもん映画で真の人気作品はどれなのかを、自分の目で確かめてくださいね。

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