『のび太と竜の騎士』とは?詳しいあらすじと作品解説(ネタバレ注意)

この記事では『映画ドラえもん のび太と竜の騎士』の

  • 詳しいあらすじ
  • 作品情報
  • 見どころ

などを説明していきます。

ぜひ最後まで読んでくださいね。


『のび太と竜の騎士』のネット上の感想と評価は、以下の記事でまとめています

⇒【のび太と竜の騎士】みんなの感想&評価まとめ!

『のび太と竜の騎士』とは?

映画公開時のキャッチコピー

「謎の騎士 新登場!!夢とスリルがいっぱいの地底大冒険がはじまる!!」

 

公開年月日 1987年3月14日
通算 8作目
監督 芝山努
脚本 藤子不二雄
時間 90分
動員数 310万人(歴代映画ドラえもんシリーズで22位)
主題歌 『友達だから』
歌 大山のぶ代
歌詞 武田鉄矢
曲 山木康世
編曲 菊池俊輔
リメイク なし

 

『のび太と竜の騎士』を一言でいうと、「地底世界に迷い込んだドラえもん達が、ナゾ多き恐竜人の一大計画に巻き込まれ、歴史的な真実を目の当たりにする作品」です。

物語的なテーマは、一応「敵ではない異種との交流」や、「恐竜絶滅のナゾ」になるのかなと思います。ただ、本作はテーマやメッセージというよりも、純粋にSFエンターテインメントとしての完成度を突き詰めた作品という印象が強いです。

舞台は地底世界。いわゆる地球空洞説を下敷きに、地底世界とそこに築かれた国が舞台となります。

歴代映画ドラえもんシリーズと比較しての特徴は、

  • ハッキリとした敵が存在しない。
  • スネ夫がフォーカスされ物語の起点に
  • 歴代トップクラスに凝った設定とSF的な仕掛け

などが挙げられますね。

『のび太と竜の騎士』の詳しいあらすじ

ネタバレ注意!
ここからは詳しくあらすじを書いていきます。ネタバレになるので気にする方はスルーしてくださいね。

1. スネ夫の憂鬱

空き地で「ネッシーは本当にいるのか」を議論するのび太たち。

のび太はかならずいる、と主張するが、ジャイアン、スネ夫、しずかはまともに取り合わない。

納得がいかない様子ののび太にドラえもんは、どんな質問にも◯か☓かで答えてくれる道具『◯☓占い』を出す。

「たった今、この地球上に恐竜が1匹でも生き残っているだろうか」

ドラえもんがそう質問したところ、答えは☓だった。

一方、多奈川の河川敷でラジコン飛行機を飛ばすジャイアンとスネ夫。すると、ジャイアンの操作ミスでラジコンが多摩川に沈んでしまう。

ジャイアンは逃げてしまい、1人残されたスネ夫はそこで巨大な首長竜を間近に目撃する。

ところが、次の瞬間には首長竜は消えていて、スネ夫は自分が見たものを完全には信じることができない。

その頃、のび太は溜まっていた0点のテストの隠し場所を探して、ドラえもんと町を歩いていた。途中、河川敷帰りのスネ夫とバッタリ会うが、スネ夫の様子は明らかにおかしい。

裏山にたどり着いたのび太とドラえもんは、地中の空洞を探せして記憶できる道具「どこでもホール」を使い、とりあえず発見した空洞にテストを隠すことに。

その夜。今度は自宅の庭で首長竜を目撃してしまったスネ夫は、自分はノイローゼになってしまったと悲観するのだった。

翌日、どこでもホールを使って昨日の空洞にアクセスするのび太たち。

横穴がどこまでも続く地下の空洞に部屋を作り、その楽しさに興奮したのび太は、しずかも呼んで一緒に遊ぶことにする。

ところが、偶然話を聞いたスネ夫とジャイアンも一緒についてくることに。

みんなが楽しむ中、1人陰鬱な気分のスネ夫は横穴を遠くまで歩き、静寂に耳を済ましている。

すると、横穴を抜けた先のほうからドドドドッと音が響いてきて、気になったスネ夫はそこまで行ってみることに。

そこでスネ夫が見たものは、地底とは思えない広大な空間を、列をなして勢いよく走る恐竜の群れだった──。

翌日、ふたたび地下の空洞に遊びに来た5人だったが、スネ夫は証拠映像を撮影するためにビデオカメラを持参して、1人で昨日の横穴を抜けた場所を訪れる。

崖下に降りて、もう一度崖を登り、恐竜が走っていた場所にたどり着くスネ夫。すると、今度は多奈川に沈んだはずのラジコン飛行機が飛んでいるのを目撃する。

スネ夫は焦って引き返そうとするが、崖下の穴を滑り落ちてしまい、広大な地底湖を発見する。

突然、近づいてくる物音に気づいたスネ夫は、湖の岩陰に身を隠すが、手を滑らせて湖に落ちてしまうのだった。

2. 多奈川から地底世界へ

地底でバギーに乗って遊んでいたドラえもんたちは、スネ夫のビデオカメラが転がっているのを発見する。

カメラだけ拾うものの、スネ夫が迷子になっているとは思わない4人。
後日スネ夫がまだ帰宅していないことから、地底世界に置き去りにしてしまったことに気づく。

急いで助けに行こうとするドラえもんたちだったが、どこでもホールがクルマに轢かれて使えなくなってしまう。

そこで、ドラえもんはビデオカメラに映ったラジコン飛行機の映像をヒントに、『◯☓占い』によって、多奈川の底と地底世界が繋がっていることを突き止める。

4人は多奈川の底に潜り、川底にそれらしき穴を見つける。
穴の中を進んでいくと、その先には地底とは思えない白亜紀ような光景が広がっているのだった。

スネオを探す最中、例のラジコン飛行機を見つける4人。途中、地底民族のナンジャ族に捕まり危機にさらされるが、謎の竜騎士バンホーに助けられる。

バンホーからスネ夫を保護していると聞かされた4人は胸をなでおろし、スネ夫のいるところまで連れて行ってもらうことに。

4人は5時間の旅を終えて、スネ夫のいる地底国の首都エンリルに到着する。

ところが、不法入国者という立場上すぐにはスネ夫に会わせてもらえず、取り調べを受けたあと、やっと対面を果たす。

地底での記憶をすべて消し去ることを条件に、5人は地上に送り返してもらえることになる。

が、手続きに2、3日かかるため、バンホーの家に宿泊させてもらうことに。

5人はバンホーの妹ローにエンリルの街を案内してもらい、歴史博物館で恐竜人族の歴史を学ぶ。

6500万年前に謎の大災害があったこと。恐竜は絶滅しかけたが、聖域と呼ばれる真四角なエリアで、のちの地底人の祖先となるステノニコサウルスが成長したこと。

ローは、大災害がなければ地上で恐竜人が栄えたかもしれないといい、6500万年前になにがあったのかを調査する大計画が進行中だと4人に教える。

が、その大計画の詳細を聞かれると口を閉ざすのだった。

3. 恐竜人の野望

ピクニックに出かける5人とロー。

その帰り、遊びで竜に乗って帰ることになるが、のび太だけ乗りこなすことができず、逆方向に走っていってしまう。

のび太が竜に投げ出されて入り込んだのは、バンホーから立入禁止区域だと念押しされたエリアだった。

警備兵の目を盗み、建物内に身を隠すのび太。そこで見たのは建設中の巨大な戦艦だった。

さらに、戦艦の様子を見に建物内に入ってきた祭司長の「哺乳類から恐竜人に地上を取り戻す」という衝撃的な言葉を聞いてしまう。

みんなと合流したのび太は、建物内で見聞きしたことを伝える。

人類の危機を感じた5人は、記憶を消される前に地底世界から逃げ出し、地上にこのことを伝える決意をする。

夜、バンホー達の目を盗んで逃げだした5人だったが、途中で野蛮な民族に捕まってしまい、またも命の危険にさらされてしまう。

そこで5人を助けてくれたのは、のび太が立入禁止エリアの建物内で見たあの戦艦だった。

脱走についてバンホーに叱られる5人。のび太が聞いた祭司長の話の件は、バンホーは否定せず、これ以上首を突っ込むなと拒絶する。

恐竜人の軍団長はドラえもん達のことを「聖戦の前に背負い込んだやっかいな荷物」として処罰対象と考える。

ところがバンホーは、今度の聖戦の相手は人間ではなく、早急な処罰は神の御心に背くとして、軍団長の意見に反対し、5人をかばう。

結果、5人の身柄は、恐竜人の遠征が終わるまではバンホーが預かることになるのだった。

4. 6500万年前へ

「聖戦」に出陣する戦艦。

戦艦は地上に浮上し、ドラえもん達は、窓からカナディアンロッキーを発見する。

次の瞬間、戦艦は光を帯びて亜空間をワープし、眼前に白亜紀の森が広がる。

5人は、戦艦が巨大なタイムマシンだと知り、恐竜人は過去の哺乳類を絶滅させて歴史を変える気だと断定する。

夜を待って戦艦から逃げ出そうと話すドラえもん達。窓外を見るしずかは、昼間の空に強く輝く彗星を見つけるのだった。

夜、聖戦開始前の軍団長の演説中に5人は再度逃走する。
和風の城を打ち立て、追ってくる恐竜人を迎え撃つ5人。

果たして5人は恐竜人の野望を食い止め、人類を守り、地上に帰ることができるのか?

ラスト

恐竜人との戦闘が開始するが、突如巨大な彗星が海に落ちる。その衝撃で火山は爆発し、沖から津波が押し寄せてくる。

急いで戦艦に戻り、地中に姿を消す恐竜人達。ドラえもん達5人は、即席で地下室を作れる『ポップ地下室』を使って、間一髪で地中に逃げこむ。

スネ夫は、地下室のなかで地底地図を見ながら、ここがエンリルの歴史博物館で見た真四角の「聖域」と同じ形状だと気づく。ドラえもんいわく、北海道ぐらいだという地下室の大きさも地図上のそれとピッタリだった。

そこで5人は、恐竜人に伝説として伝わる聖域を作ったのはドラえもんだったことに気づくのだった。

浮上した戦艦に白旗を掲げる5人。
ドラえもんは、恐竜人にこの彗星が引き起こした災害の影響で、6ヶ月でほとんどの生物が死滅すると説明する。

恐竜人はショックのあまり涙を流すが、ドラえもんは今残っている恐竜を救いたいという。

5人は桃太郎印のきびだんごで恐竜たちを地下室に誘導すると、太陽光線、川、植物など、恐竜たちが繁栄できる自然環境を整える。

すべてを理解した恐竜人達は5人に感謝し、恐竜人は地底で栄えることが神の御心だと悟る。

5人は無事に現代に送り返してもらい、バンホーとローに別れを告げるのだった。

登場人物

レギュラーメンバー

『のび太と竜の騎士』で注目のレギュラーメンバーは、スネ夫です。

本作は、珍しく一匹狼になり、孤独でいようとするスネ夫が不思議な体験をするところから物語が動きだします。

終盤に、本作を理解する上で重要な「聖域」のナゾについて気づくのもスネ夫ですよ。

ゲストキャラクター

恐竜人族

恐竜を祖先に持ち、高度な知能を持つ人間型の種族。地球上の広範囲に渡って地底に高度な文明を築いている。自分達の神を信じ、それが宗教として政治的、精神的に深く根付いている様子。

かつて彼らの先祖である恐竜が地上を支配していた時代に、突然得体の知れない出来事が発生し、恐竜は地底の「聖域」に押し込められた。
その「聖域」で恐竜は進化を続けて、やがて恐竜人はうまれ、地底世界で高度な文明を持つまでに繁栄してきたという歴史を持つ。

竜騎隊士バンホー

恐竜人の騎士。原始動物保護区の監察官を務める。
高い戦闘能力を持ち、大学で電子工学を学んだ過去を持つ。
恐竜人の神を信じる博愛主義者。地上人で不法入国者であるドラえもんたちに優しくする反面、厳しく説教する一面も持つ

ロー

バンホーの妹。バンホーに頼まれて、ドラえもんたちを連れて地底国を案内する

軍団長

恐竜人の騎士団の長。恐竜人の悲願である「大遠征」計画を指揮する。地上人であるドラえもんたちへの懐疑心が強いが、その取扱いはバンホーに一任している。

祭司長

恐竜人の祭司長。(一般的に、祭司とは神と人をつなぐ仲介者のことをいう。)
宗教上のトップである法王は別にいる。
哺乳類へ強い敵愾心をもつ。ふるまいを見る限り軍団長より立場は上っぽい。「大遠征」計画が実現することに強い喜びを感じている。

敵キャラクター

ナンジャ族

地底世界に住まう凶暴な原始民族。文明を拒否し、昔ながらの恐竜狩りをやめようとせず、バンホーが手を焼いている
見た目はのび太いわく、カッパそっくり。

『のび太と竜の騎士』に登場するひみつ道具

登場する道具一覧

  • ◯☓占い
  • どこでもホール
  • ピッカリゴケ
  • インスタントルームセットお湯つき
  • 留守宅警報テレビ
  • 夢風鈴
  • タントサンソあめ(水中酸素あめ)
  • ミニ探検隊
  • ほんやくこんにゃく
  • タケコプター
  • 通り抜けフープ
  • こけおどし手投げ弾
  • ハッタリバズーカ
  • おどかしミサイル
  • 見せかけ銃
  • 天地逆転オイル
  • ポップ地下室
  • 桃太郎印のきびだんご
  • 日光ゴケ

注目のひみつ道具

◯☓占い

どんな質問でも◯か☓かで答えてくれる優れた道具。
「占い」という名前がついているが、正解率は100%なので、もはや占いというか神。

どこでもホール

ダイヤルを回してどこからでも地底の空洞を探せるマンホール。ダイヤルの数字をおぼえておけば、どんな場所からでもその穴に行くことができる。
『のび太と竜の騎士』では、この道具でのび太の0点のテストを隠すための穴を見つける。その穴が、地底世界に通じていたことが物語が展開していくきっかけとなる。

ポップ地下室

地面に埋めて爆発させることで一瞬で地下室をつくることができる道具。地下室の大きさは設定で自由に調節できるが、本作では切迫したタイミングで使ったため、巨大な正方形の地下室ができる。

『のび太と竜の騎士』の見どころ

つぎに見どころをピックアップしてお伝えしますね。

スネ夫が物語のきっかけに

ドラえもん映画といえば、のび太のワガママや思いつきから物語が展開していくことが多いのですが、『竜の騎士』は、スネ夫が突飛な体験をすることから物語がはじまります

いつもの自慢ばかりのイジワルスネ夫ではなく、孤独を好む、神経質で繊細なスネ夫の姿が見られますよ。スネ夫って大長編では1番の弱虫キャラだけれど、意外と探究心や冒険心も持ち合わせているのがわかる展開になっています。

ただし、後半はそこまで活躍しないので、スネ夫回とまでは言えません。

練られた設定&ストーリー

藤子先生が描く大長編ドラえもんは、ある程度の構想をあるものの、見切り発車的に作品を描き始めて、物語の途中で最終的なオチや着地のさせ方を決めることで有名です。

ところが、『のび太と竜の騎士』はそのような作り方をせずに、最初から相当に設定やプロットを考えて描かれていることが推測されます。その理由が、前作までの大長編と一線を画すストーリーと、伏線です。

本作は、「単純な勧善懲悪+ゲストキャラとの絆」で成り立っていた前作までとは異なり、ドラえもん達は敵でも味方でもない恐竜人と微妙な距離感を保ったまま終盤まで物語は進んでいきます。

ラストも、バトルの決着で物語にピリオドがうたれるのではなく、別の要因で思わぬ方向に話が展開して。。。。

感動の涙が流れるようなエンディングではないのですが、「それまでの伏線を回収+SF的に練られたオチ」という組み合わせで、大人でも感心してしまうような(考え込んでしまうような)ラストになっています。

ん?もう1回最初から観たいかも。。。と思ったら、『竜の騎士』に魅力にハマった可能性がありますよ。

張り巡らされた伏線

『のび太と竜の騎士』は、かなりの数の伏線が張られて、物語に深みを出しています
上で説明したように、描き出す前から練り込まれたストーリーだからこそ、序盤からさまざまな伏線を張ることができたはずなんですよね。

何度か観ることでやっと伏線だと認識するような、さりげないものもありますから、本作は、ぜひ伏線になりえそうなシーンやセリフを意識して観てみてください。

本作の伏線については以下に記事にまとめています。

⇒【のび太と竜の騎士】考察&伏線まとめ!

最後に

『のび太と竜の騎士』は、藤子先生が新しい表現にチャレンジした記念すべき作品です。

練られた設定、プロット、脚本が、藤子先生の並々ならぬ熱意を感じさせますよ。

本作を特におすすめできるのは

  • 大人でもしっかり楽しめるドラえもん映画が観たい人
  • ちょっと変わったドラえもん映画が観たい人
  • 普通に凝ったSF映画が観たい人
  • 地底世界、と聞いてロマンを感じる人

といった感じです。

ぜひ、一風変わったドラえもん映画の世界を体験してみてください。

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